森とつながり直すことから、足元の土を見つめ直すことから、世界を変えていきませんか？

ナマケモノ倶楽部と出かける「リジェネラティブ＆ローカル・ツアー」は、世界各地で、コミュニティと生態系の再生に取り組む人びとに出会い、その暮らしや文化を体験することで、自分のなかに眠っていた可能性を再発見し、世界を見る新しい視点を見出し、これからの生き方に活かしていこうという創造的なプログラムです。

今回の第一の目的地は、2017年よりナマケモノ倶楽部が交流を続けているタイ北部、カレン民族が暮らすノンタオ村。そこで、タイの農民運動と少数民族運動のカリスマ的リーダー、自称「レイジーマン（ナマケモノ）」のジョニさんと、その後継者で、アグロフォレストリー（森林農業）による「レイジーマン・コーヒー」の創始者である息子のスウェさんを訪ね、話をうかがいます。カレン族の伝統的な叡智と、それに基づくコミュニティと森の再生への道筋を、２泊のホームステイを通じて五感で体験し、学びます。

３日目、４日目はノンタオ村とは反対の山間部に位置するドイチャン・パペ村へ。大地再生（リジェネラティブ）という視点からも貴重な伝統的循環農業「ク」が現在も残っている村です。何百年ものあいだ、先住民が山中の傾斜地で行ってきたこの農業が、主流社会では今でも前近代的な遅れた農業として否定されてきましたが、実はそれが森と人間の暮らしとの共栄共存を持続可能にするためのデザインであったことが、近年、科学的にも明らかにされ、注目されるようになっています。現地のリーダーたちから話を聞き、またその案内で「ク」の畑を視察させていただきます。

５日目、そして最終日は国際都市チェンマイでローカルビジネスとして注目を浴びているオーガニック＆フェアトレードのカフェを訪ねながら、カレン民族の若いリーダーたちがいかにアグロフォレストリーのコーヒーを通じて、コミュニティと生態系の再生を推進しているかを学びます。

この旅ですべてのインタビュー、通訳、解説を担当してくれるのは、文化人類学者で環境活動家の辻信一さん。ノンタオ村のジョニさんとスウェさんへの数年にわたるインタビューを軸とするD V Dブック『レイジーマン物語』のディレクター・著者でもあります。今回のツアーでも、環境アクティビストとして世界あちこちの森を歩き、開発という名の森と生態系の破壊に抵抗してきた先住民の運動に携わってきた辻さんによる解説をお楽しみいただけます。

また、辻さんの現地アシスタントとして、ツアー全体のコーディネート、通訳、ガイドを引き受けてくれるのはノンタオ村出身のオシさん。2019年に日本で開かれた「しあわせの経済」国際フォーラムにもスウェさんとともに参加、『レイジーマン・ブック』の制作でも活躍してくれました。これまで数多くのツアーを企画、受け入れてきたこの道のプロです。

アグロフォレストリーとリジェネラティブ農業、フェアトレード、ローカルビジネス、先住民の伝統的な智慧、ローカル経済の再生といったキーワードやテーマに関心のある方、この機会にぜひご一緒しましょう！

■辻 信一連載「レイジーマン物語」（ウインドファーム社ウェブサイト）